05.05.19:11
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08.01.23:24
SS-01
風月華の方達に触発されて書いてみました
流石に、向こうに載せる勇気はありませんでした(笑)
ちょっと、暗めです
流石に、向こうに載せる勇気はありませんでした(笑)
ちょっと、暗めです
鈍い、肉と骨と命を断つ音
―――止めて
ゆっくりと崩れ落ちる肢体
―――止めて、やめて……
一面に広がる赤、赤、赤
―――止めて、やめて、ヤメテ……っ!!
早く、助けなければ
―――流れゆく、命
早く、早く何とかしなければ
―――失われる、光
誰か……誰か助けてっ!!
―――零れ落ちる、大切なもの
『悠夏……これ、を……』
赤に染まる手に握りしめられた一振りの刀
『ご免なさいね……?貴女に、こんな、生き方を……させて、しまって……』
何も持たない手が、白い頬に触れる
『これからは、もっと……普通の、女の子に……』
ぬるり、生暖かい濡れた感触
抱え込んだ母の身体は、驚くほどに重たかった
徐々に、光を失っていく母の銀色の瞳
瞳一杯に涙を浮かべた少女は、ただ母の最期の言葉を聞いていた
何か、言わなければと思えば思うほどに重く閉ざされる唇
そして、震える唇がたった一言
『お母様……わたくしを置いて逝かないで……』
もう、叶わぬと解っている願いを吐き出す
『悠夏……』
―――わたしの、たいせつな、たからもの……
声にならない、最期の声
それは、少女の慟哭に掻き消されて……他の誰の耳にも届かずに消えた
少女―四月朔日悠夏、14歳の冬の出来事―――
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一体母の身に何があったのか…。貴方の気持ちまでは分かりませんが、大事な人を喪った悲しみは理解しているつもりです。(マントを掴み、遠くを見るように
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